腐食性の高いガスや洗浄薬液によるインサートナットのサビ・・・
近年、半導体製造分野を中心にガスを用いた表面処理技術が広く用いられるようになってきました。半導体の製造工程には洗浄工程や成膜工程・エッチング工程など、各種洗浄薬液を使用したり、不活性ガスや特殊ガス、総称してプロセスガスと呼ばれるガスを使用する工程が多くあります。
エッチングガス等の腐食性ガスは、半導体や電子部品、装置等の劣化に大きな影響を与え、ガスの種類によっては、SUS304などのステンレス部材でも腐食してしまうことがあります。さらには半導体製造装置部材に対しては腐食性ガス・プラズマ環境下での一層の低汚染化,高耐食性が要求されています。
高耐食グレードのインサートナットで錆を抑制
そこで当社は腐食性の高いガスによるインサートナットのサビを抑制するために、SUS316Lを用いた高耐食グレードのAISERTアイサートを新たに開発いたしました。従来のステンレスでは腐食の不安がある箇所でぜひお試しください。
製品のラインナップ・仕様は、こちらをご覧ください。
当社は最先端の半導体製造装置に求められるお客様のお困りごとの把握に努め、迅速に国内での製品開発、さらに国内生産へと繋げていくことで、進化し続ける半導体業界の皆様と共に高機能・高品質のモノづくりの一端を担えるよう取り組んでまいります。
錆びにくいSUS316Lとは
SUS316Lはステンレス材のハイグレードモデルと言われており、SUS316LはSUS316に含まれる炭素の量を低くしたローカーボンタイプのステンレスであり、部品と部品をつなぎ合わせる溶接部分の腐食(粒界腐食)に強い素材です。
SUS316は、クロム18%、ニッケル10~14%、モリブデン2.5%を含有した磁性のないオーステナイト系ステンレスです。モリブデンを含有していることにより、他のステンレス鋼種よりも耐食性、孔食性が大きく優れていることが特徴です。
「L」は炭素量が少ないという意味の、ローカーボンの頭文字を取っています。